童謡『たなばたさま』の魅力と動画
七夕の季節が近づいてくると、「いよいよ夏が来るんだな」と心がワクワクしてくる。それは、多くの方に共通する初夏の楽しみではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、そんな夏へのワクワク感をさらに高めてくれる童謡『たなばたさま』です。どの世代の方にとっても、「ささのは、さらさら〜♪」で始まるこのメロディは、きっと耳馴染みのある大切な一曲ですよね。
この記事では、オリジナルのピアノ伴奏による歌唱動画とともに、童謡『たなばたさま』の歌詞や曲の背景をご紹介します。
動画制作に込めたイラスト・ピアノ・歌のこだわりや、この曲にまつわるわが子との愛おしい子育てエピソードもたっぷりお届けします。ぜひ、こちらの動画と一緒に、童謡『たなばたさま』の美しい世界を味わってみてくださいね。
※本記事に掲載している動画(ピアノ伴奏・歌・イラスト)は、AI生成ツール等は一切使用せず、すべて当サイトの運営者が自ら演奏・歌唱・作画をして制作した完全オリジナルコンテンツです。
童謡『たなばたさま』の歌詞と作品の背景
歌詞
作詞:林 柳波 作曲:下総皖一
ささの葉 さらさら
のきばに ゆれる
お星さま きらきら
きんぎん 砂子。
五しき のたんざく
わたしが かいた
お星さま きらきら
空から 見てる。
歌詞の意味
この曲の歌詞は、子どもが話し言葉のような、平易な日本語で描かれています。ただし、現代人からすると、聴き馴染みのない言葉がちょこちょこと出てきます。ここでは、これらの言葉の意味や由来について解説します。
「軒端(のきば)」
「軒(のき)」とは、外壁から張り出した屋根の部分全体のこと。「軒端(のきば)」とは、その軒下の端の方を示しています。したがって、「七夕飾り用の笹の葉が軒の端に飾られて風に揺れている」、という解釈が正しいようです。
昔の住宅は、雨や日差しを遮るために軒が広くとられていましたが、現代の住宅では、土地の有効活用やデザインのトレンドを理由に軒が小さかったり、まったくない家が増えているようです。
そのため、子どもにとっては、「軒」自体が馴染みのない言葉なので、実際に現物を見せて説明するとわかりやすいかもしれません。
「金銀砂子(すなご)」
金銀砂子とは、金箔や銀箔を細かく砕いた粉末のこと。和室の襖に描かれた美しい装飾模様は、この粉末を蒔き付けて描いたもの。光の加減でキラキラと輝く美しい模様を表現する日本の伝統技法だそうです。
とはいっても、最近の住宅では和室を設けない家も増えており、襖紙のイメージがわきにくいお子さまも多いのではないでしょうか?これも軒同様、ぜひ現物を見せて説明してあげたいところです。
「五色(ごしき)」
五色(ごしき)とは、中国の陰陽五行説を基にした「青、赤、黄、白、黒」の五つの色を表しています。日本では、青が緑に、黒が紫に、変わって、「緑、赤、黄、白、紫」として定着したそうです。
そもそも陰陽五行説とは、「木、火、土、金、水」の五つの要素が、万物の根源である、という思想のこと。この説の中で、それぞれの要素は色と関連付けられ、「青(緑)は木、赤は火、黄は土、白は金、黒(紫)は水」を表しています。
また、この五色は、儒教において人が常に守るべき5つの徳目を示す五常(仁・義・礼・智・信)とも関連して考えられています。
つまり、五常では、青(緑)は「仁」、白は「義」、赤は「礼」、黒(紫)は「智」、黄は「信」と、対応しているとのこと。七夕の短冊にこの五色を使う理由も、五行と五常の教えに由来しているとのこと。
短冊を書く際も、短冊の五つの色それぞれに、五常の意味に対応した内容の願い事を子どもと一緒に考えるのも楽しそうです。
曲の背景:世代を超えて受け継がれる、星空への願い事
童謡『たなばたさま』は、日本の伝統的な夏の行事である「七夕」をテーマにした名曲です。
作詞は林柳波さん、作曲は下総皖一さんが手がけました。お二人はともに当時の音楽教科書の編集委員を務めており、1941年(昭和16年)に発行された小学校低学年向けの音楽教科書『うたのほん(下)』で、この曲を初めて発表しました。
この曲のモチーフとなっている七夕は、夏の夜空に輝くこと座の一等星「ベガ(織姫星)」と、わし座の一等星「アルタイル(彦星)」が、年に一度だけ天の川をわたって出会うことができるという、中国のロマンチックな伝説から始まった風習です。
二人が無事に出会えるよう祈る7月7日には、子どもたちがそれぞれの願いごとを短冊に書き、笹の葉に飾り付ける七夕行事が日本中で繰り広げられます。
この季節に街を歩くと、一生懸命に書かれたお子さまのあどけない文字や、かわいらしい願いごとが並ぶ短冊に、思わず目を細めて見入ってしまいますよね。
この曲が歌い上げているのは、まさにそんな七夕行事を心待ちにする子どもの、純粋でかわいらしい気持ちそのものです。
「さらさら」「きらきら」といった心地よいオノマトペ(擬態語)をシンプルなメロディにのせて、小さな子どもでも親しみやすいように優しく作られています。
【制作秘話】動画に込めたこだわり:イラスト・伴奏・うたのポイント
イラスト:七夕の夜に星空を見上げる、あたたかな親子の時間
昨年の七夕、わが家は子どもと一緒に家族3人で短冊を飾り、夜空に思いを馳せる時間を過ごしました。
あいにくの悪天候で実際の天の川を見ることはできなかったのですが、大人も子どもも関係なく、みんなで純粋な「子ども心」に戻って、未来への願いごとを思い描き合いました。
イラストには、そんなわが家のかけがえのない温かなひとときを、全員同じ年齢の子どもの姿として描いています。
ピアノ伴奏:右手のきらめく音色で、美しい星空を演出
今回の動画で使用したピアノの楽譜は、とても素敵な工夫が施されています。
実は、歌のメロディを左手の中低音域(少し低い音)で奏で、右手は「アルペジオ(分散和音)」というバラバラと細かく動く美しい音で飾り付けをするという、特別な演出になっているのです。
- 左手の音:静かにゆったりと流れる天の川
- 右手の音:天の川でキラキラと瞬いている星たち
演奏の際は、この2つの情景が目の前に浮かぶような、美しく幻想的な響きを意識しました。
また、澄んだ夜空の星のきらめきを表現するために、音の濁りには特に気をつけています。
ペダルを踏みっぱなしにせず、小節の頭できれいに、素早く踏みかえることで、一音一音が美しく透き通るように演奏しました。
うた:内緒話のように、やさしくゆったりとした息遣いで
童謡『たなばたさま』は、短いメロディときれいな日本語の中に、夏の夜空の情景がぎゅっと凝縮されています。そのため、言葉を一語ずつ丁寧に発音すること、そしてフレーズをゆったりとつなげて歌い上げることを大切にしました。
楽譜を見ると、この曲は大きく分けて次の「4つのフレーズ」で構成されています。
- 「ささのはさらさら」
- 「のきばにゆれる」
- 「おほしさまきらきら」
- 「きんぎんすなご」
この1フレーズを一息で歌いきるためには、フレーズの間でかなりしっかりと息を吸い込む必要があります。 七夕の静かな世界観を表現するためにも、大きな声で元気よく歌うのではなく、まるで「夜の内緒話」をしているかのような、やさしく、ゆったりとしたイメージで優しく歌うのがおすすめですよ。
【童謡子育て体験談】:過去の星の光を見つめながら、未来の願いをのせる「時空の旅」
七夕の夜に、短冊を飾って天の川を見上げる――。
カラフルな短冊にたくさんの願いごとを書き連ねて、笹に飾って空を眺める時間は、大人にとっても子どもにとっても、思い出深い楽しいひとときですよね。
私は物心つくかつかないかの幼いころから、大人になった現在にいたるまで、7月7日の夜にはほぼ毎年同じように過ごしてきました。短冊(あるいは何かしら短冊風のもの)を、笹、または「笹っぽい何か」(時には洗濯ピンチハンガーだったことも……!)に吊り下げて、未来の姿を思い描くのです。
その時々で、自分が思い描く「未来のハッピーな願いごと」を文字にして吊るす時間は、本当にワクワクします。おもしろいのは、未来を具体的に想像すると同時に、「昔はこんな願いごとを書いたな」と過去の記憶が頭の中でフラッシュバックして、これまでの歩みを振り返ることができるところ。七夕は、まさに過去と未来の時空をまたぐような、特別な行事だなと感じます。
1歳のわが子が紡いだ、あどけない願いごとは「みず、うみ」
昨年は、当時1歳だったわが子と、親子3人で七夕飾りを囲んで願いごとを話し合い、「近未来の計画会議」を開きました。
まだ言葉を話し始めたばかりのわが子でしたが、当時は水道や噴水など「水」への関心がとても強い時期。これから何をしたいかを尋ねると、「みず!、うみ!」と、海で水遊びがしたいという確かな意思を示してくれました。
「それなら願いを叶えよう!」と、さっそく近所の海へと連れ出したのですが……そこは意外にも波がとても大きな海でした。1歳児が波打ち際で「ちゃぷちゃぷ」と遊ぶには、足をとられてしまいそうで少し危ないなと感じ、その日の海遊びは泣く泣く断念することに。
今年こそは、去年のわが子の願いごとを安全に叶えてあげられるよう、事前のリサーチを念入りにおこなっています。海開きが始まったらすぐに、波が穏やかな海水浴場を目指して出発する予定です!
「見えているのは過去のお星さま」2歳ではじまった宇宙への冒険
昨年の七夕をきっかけに、わが家は子どもと一緒に何度もプラネタリウムへ通うようになりました。すっかり星の魅力にハマったわが子は、今では宇宙の図鑑や本を愛読しています。
2歳になった最近では、星が誕生してから爆発して消えるまでの「星の一生」に、とりわけ強い興味を持っているようです。そんなわが子が、一番不思議そうに、そして目を輝かせていたのが「いま見えているのは、過去のお星さまの光なんだよ」という事実でした。
いちばん身近な月ですら約1秒前、太陽にいたっては約8分も前の光であることを知ったわが子。それ以来、夜空を見上げては「あの星は、いまもまだ生きてる?」と、愛おしそうに聞いてくるようになりました。
夜空を眺めながら星の果てしない一生に思いを馳せ、はるか昔の長い時間に寄り添っていると、なんとも言えない不思議で厳かな気持ちになりますよね。それはきっと、小さな子どもであっても同じなのだと気づかされました。
七夕の夜空に見ているのは、未来なのか、過去なのか
過去に放たれた星の光を見つめながら、未来への思いを短冊に託す、七夕まつり。深く考えれば考えるほど、なんてロマンチックで、奥行きのある素敵な風習なのだろうと改めて感動してしまいます。
それはさておき、今年は自分はどんな願いごとを書こうかな、大きくなったわが子はどんな短冊を飾るのかな、と今から七夕の夜が楽しみで仕方がありません。
まとめ:夏の夜空に思いを馳せて、童謡『たなばたさま』を親子で優しく歌おう
初夏の訪れを告げる七夕の季節、街中に飾られる色とりどりの短冊を見つめるだけで、大人も子どももなんだか心が弾みますよね。
今回ご紹介した童謡『たなばたさま』は、心地よい言葉の響きの中に、涼やかな夜風や満天の星空の美しさがぎゅっと詰め込まれています。
シンプルなメロディだからこそ、まだ言葉を話し始めたばかりの小さなお子さまでも口ずさみやすく、何世代にもわたって日本の家庭や保育の現場で愛され続けてきた理由がよく分かります。
七夕の夜は過去の星明かりに包まれながら、未来のハッピーな願いごとに胸を膨らませる特別な時間です。
7月7日は、ぜひお子さまと一緒に『たなばたさま』を優しく歌いながら夜空を見上げてみてください。
親子のあたたかな歌声が、きっと天の川まで届いて、みなさんの素敵な願いごとをそっと後押ししてくれますよ。


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