童謡「そらにてんてんおほしさま」ってどんな曲?星の点つなぎして見えたものとは?|まどみちお作詞・湯山昭作曲

そらにてんてんおほしさま illustrated by Ayako
目次

童謡『そらにてんてんおほしさま』の魅力と動画

今回ご紹介する曲『そらにてんてんおほしさま』は、まどみちお作詞・湯山昭作曲による夏の童謡です。動物たちが夜空の星を点つなぎするというユニークな世界観が特徴で、軽快なリズムと豊かな想像力を育む歌として親しまれています。

「夜空の星を歌う童謡」、と聞いて、すぐにこの曲が頭に浮かぶ方は、果たしてどれほどおられるでしょうか。実は私も、童謡の活動を本格的にに始めて、初めて出会った一曲でした。

この曲を知ってからまだ日は浅いですが、今ではすっかりその虜になっています。軽やかなリズム感や楽しさ溢れる歌詞には、他の童謡にはないキラリと光るオリジナリティがあり、夏の夜空を見上げるとついついこのメロディが口をついて出てきてしまうのです。口ずさむだけでなく、手や足までもが自然と弾むように踊り出してしまう、そんな不思議なパワーを持った楽曲です。

この記事では、オリジナルのピアノ伴奏による歌唱動画とともに、童謡『そらにてんてんおほしさま』の魅力や曲の背景をご紹介します。 動画制作に込めたイラスト・ピアノ・歌のこだわりや、この曲にまつわるわが子との子育てエピソードもたっぷりお届けします。
ぜひ、こちらの動画と一緒に、童謡『そらにてんてんおほしさま』の心弾むメロディを味わってみてくださいね。

※本記事に掲載している動画(ピアノ伴奏・歌唱・イラスト)は、すべて当サイト運営者自身が制作したオリジナルコンテンツです。演奏・歌唱・作画はすべて自ら行っており、生成AIによる制作物は使用していません。

童謡『そらにてんてんおほしさま』ってどんな曲

動物のお子さまたちが星の「点つなぎ」に夢中になる、絵本のような世界

童謡『そらにてんてんおほしさま』は、夜空にきらめく星々を動物のお子さまたちが「点つなぎ」して遊ぶという、まるで一冊の絵本をめくっているかのようなストーリー性の高い作品です。

この遊び心あふれる歌詞を手がけたのは、『ぞうさん』や『やぎさんゆうびん』、『ドロップスのうた』など、ユーモアと優しさに満ちた数々の名作を生み出してきた作詞家のまど・みちおさんです。

そして、思わず手足が勝手に動き出してしまうようなリズミカルで軽快なメロディをつけたのは、作曲家の湯山昭(ゆやまあきら)さんです。『おはながわらった』や『あめふりくまのこ』でも知られる湯山さんの作品は、高い音楽性と美しい旋律、そして現代的で明るいリズムが大きな魅力となっています。

童謡界を代表するお二人の感性が響き合うことで、ただ星を眺めるだけでなく、夜空をキャンバスにして遊び出すような、ポップで楽しい世界観の童謡が誕生しました。

【制作秘話】動画に込めたこだわり:イラスト・伴奏・うたのポイント

動画を制作するにあたり、まど・みちおさんと湯山昭さんが作り上げたポップで弾むような世界観を表現できるよう、たくさんのこだわりを詰め込みました。

イラスト:歌詞の世界から飛び出した、子ザルと子ブタをアニメチックに

この曲を聴いたときに真っ先に頭に浮かんだのが、夜空を見上げながら目を輝かせている、かわいらしい子ザルと子ブタの姿でした。

歌詞が描くハッピーなイメージをそのまま形にするために、今回は絵本から飛び出してきたような、アニメチックで愛らしいタッチで2枚のイラストを描いています。

ピアノ伴奏:ジャズのように小気味よい、スキップする裏打ちのリズム

『そらにてんてんおほしさま』の伴奏を仕上げる最大のコツは、軽やかなスタッカート(音を短く切る奏法)と、安定したテンポ感をキープすることです。

この曲の右手は「付点8分休符 + 16分音符」が連続する、少し珍しい形をしています。拍の裏のさらに裏(最後の16分音符のタイミング)にだけ音が鳴るため、まるで小さなお子さまが軽快にスキップをしているかのような、小気味よい「裏打ち」のリズムになります。この独特なリズムが、曲全体にジャズやポップスのようなお洒落で楽しい雰囲気を与えています。

演奏する上で意識したポイントは次の2点です。

  • 指の素早い移動:リズミカルなテンポを崩さないよう、休符の一瞬の間に次の鍵盤へ素早く指を移動させる
  • タッチの意識:跳ねるボールのように、鍵盤を叩いたらすぐに指を離して、音が伸びて濁らないようにする

また、左手の伴奏は、右手の凝ったリズムを後ろから支えるベースの役割を持ちます。スタッカートをしっかり効かせて軽やかに弾きつつ、右手のメロディを邪魔しないよう少しボリュームを抑えて安定させるのが、美しく仕上げるコツです。

うた:前奏からリズムにのって身体を楽しく弾ませて

この曲を歌うときのいちばんのポイントは、何よりも「心から楽しむこと」です!ボールが弾むような軽快なリズムを前奏からしっかりキャッチして、テンポよく歌い上げることを意識しました。

ただ、この曲は「ズンチャ、ズンチャ♪」という裏打ちのリズムで進んでいくため、他のお馴染みの童謡と比べると、小さなお子さまにとっては少しリズムをとるのが難しく感じられるかもしれません。

もしご家庭や保育の現場でお子さまと一緒に歌うときには、前奏が流れた瞬間から音楽に合わせて一緒に身体を優しく揺らしたり、手拍子をしたりしてみるのがおすすめです。あらかじめ身体でリズムを掴んでおくことで、驚くほどスムーズに、そして楽しく歌い出すことができますよ。

【童謡子育て体験談】:全部が見えないからこそ、想像の翼が広がる「夏の夜空の魔法」

童謡『そらにてんてんおほしさま』。軽快なリズムに乗せて、夜空の星を見上げる動物たちの姿を描いたこの曲がイメージさせる季節は、ずばり「夏」です。歌詞に登場する、涼しい夜風に吹かれて気持ちよさそうに眠りにつく子ザルや子ブタの姿には、思わず誰もが笑顔になってしまいますよね。

昨年の夏、わが家では夜空を見上げながら、わが子と一緒にこの曲を何度も歌っていました。

その後、秋から冬にかけて、わが子はプラネタリウムや本格的な星空観察にどんどん夢中になっていったのですが、思い返せば、この『そらにてんてんおほしさま』をお供に夜空を見上げていたのは、不思議と夏の間だけだった気がします。

「どうして夏だけだったんだろう?」
その理由を夏の夜空の思い出から紐解いていくと、素敵な「夏の夜空の魔法」に気がつきました。

レースのカーテンがかかった、夏の夜空が見せる魔法の力

私たち親子が暮らす東北地方の太平洋側では、初夏から夏にかけて「やませ」と呼ばれる冷たく湿った風が吹きます。そのため、夜になると濃い霧や低い雲が広がることが多いのです。

そんな霞んだ空を眺めて、当時わが子は「お空にレースのカーテンがかかっているね」と、まるで詩人のような言葉を口にしていました。

水蒸気が多い日本の夏は、たとえ晴れた日であっても、夜空全体がすっきりと晴れ渡る日はかなり貴重です。どうしても空のどこかに低い雲がかかり、ゆったりと流れていく姿が日常になります。

そのため、空気がキリッと澄んだ秋や冬のように、満天の星がくっきりと明瞭に見える機会はなかなかありません。

実際、寒さを感じる秋冬の季節になると、わが家では星座の図鑑を開き、実際の星と見比べながら「答え合わせ」をするような星空観察を楽しんでいました。しかし振り返ってみれば、ところどころ雲に覆われてしまう夏の夜空では、まったく別の遊び方をしていたのです。

見える部分を「点つなぎ」したら、夜空に浮かぶ自分だけの星座

霞や雲のすき間から、部分的にのぞく星たち。そんな夜空を眺めていると、まるで『そらにてんてんおほしさま』に出てくる子ザルや子ブタのように、自分たちの想像力で星と星を「点つなぎ」したくなってきます。

わが子も、夏の夜空を見上げては「あそこに、ひこうきの星がみえた!」「おかあさんの星もいるね!」と、雲に隠れて見えない部分を頭の中で自由に補い、夜空という大きなキャンバスにたくさんの絵を描いていまし

夏の家族旅行中も、旅先の夜空を眺めながら『そらにてんてんおほしさま』を歌い、それぞれが思い思いに作り上げた「自作の星座」を披露し合ったことが、今でも愛おしく思い出されます。

完璧に見えないからこそ、子どもの感性は無限に羽ばたく

やがて涼しくなり、空気が乾燥して雲が高くなると、夜空の遊び方はガラリと変わりました。澄み渡る夜空にたくさんの星が見えるようになると、想像の世界で遊ぶよりも「いま見えている本物の星座」への関心が強くなり、図鑑やプラネタリウムで星の名前を調べるようになっていったのです。

深く考えるまでは、この遊び方の変化を「わが子も成長したんだな」くらいに思っていました。

しかし、再び夏を迎え、また『そらにてんてんおほしさま』を口ずさみながら、自然と「点つなぎ」を始めていた自分たちに気づいたとき、ハッとしたのです。遊び方が変わったのは子どもの成長だけでなく、季節によって星空を切り取る「夜空の額縁」が変わったからなのかもしれない、と。

夏の夜空のように、雲がかかって全体がはっきりと見渡せないからこそ、人間の想像力は翼を広げて、どこまでも自由に飛び立つことができる。そんな夏の夜空の魔法を、童謡『そらにてんてのほしさま』は優しく教えてくれているような気がします。

まとめ:想像の翼を広げて、ご家庭や保育の現場で『そらにてんてんおほしさま』を楽しく歌おう!

今回ご紹介した童謡『そらにてんてんおほしさま』は、まど・みちおさんの遊び心あふれる言葉と、湯山昭さんによる洗練されたモダンな旋律が見事に融合した、知る人ぞ知る隠れた名曲です。ピアノ伴奏の小気味よい「裏打ち」のリズムは、まるで夜空をスキップしているかのようなワクワク感を演出し、手や足が自然と動き出してしまうような不思議な魅力に満ちています。

わが家が「やませ」の雲がかかる夏の夜空を見上げて、見えない星々を想像でつなぎ合わせたように、この曲は「完璧に見えないからこそ、子どもの想像力は無限に広がっていく」という大切なことに気づかせてくれます。

ちょっぴりジャズやポップスの雰囲気をまとった楽しいメロディは、他のお馴染みの童謡とは一味違う、新鮮なきらめきをお子さまたちに届けてくれるはずです。少しリズムをとるのが難しそうに感じられるときは、前奏からお互いに身体を優しく揺らしたり、手拍子を合わせたりして、リズム遊びのように全身で音楽を感じてみてください。

夏の夕涼みのお散歩中や、おやすみ前の穏やかな親子のふれあい時間はもちろん、保育施設での日々の活動や音楽の時間にも、ぜひこの曲を取り入れてみませんか?

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