童謡『雨』の魅力と動画:五感でたのしむ雨の音
雨の日や梅雨の季節、みなさんはどんな童謡を思い浮かべますか?
私にとって一番身近でつい口ずさみたくなるのが、この『雨』という曲です。
同じタイトルの童謡曲として、北原白秋作詞、弘田龍太郎作曲の「雨がふります 雨がふる…」で始まる作品も有名ですよね。そちらが雨の日の子どもの情緒を描いているのに対し、今回ご紹介するこの小松耕輔氏作曲の『雨』は、とにかく純粋に「雨そのものの楽しさや美しさ」を歌いあげています。
梅雨になり、お部屋で過ごす時間が長くなると、どうしても気分が沈みがちになることもあるかもしれません。そんな時こそ、この曲を歌ってみませんか?この曲は、雨の日に耳を澄ませてみると、実は雨にはいろいろな「音」があることに気付かせてくれます。
雨の日のお子さまとのおうち時間を、ワクワクした楽しい時間に変えてくれるおすすめの一曲です。
ぜひ聴いてみてくださいね。
この記事では、ピアノ伴奏の歌唱動画とともに、曲の背景をご紹介します。動画制作におけるイラスト・ピアノ・歌のこだわり、そして童謡『雨』にまつわるわが家の子育てエピソードもたっぷりお届けします。
※本記事に掲載している動画(ピアノ伴奏・歌唱・イラスト)は、すべて当サイト運営者自身が制作したオリジナルコンテンツです。演奏・歌唱・作画はすべて自ら行っており、生成AIによる制作物は使用していません。
童謡『雨』ってどんな曲?
曲の背景:明るく上品なメロディで美しい雨の世界を歌う
童謡『雨』は、パリやベルリンへの海外留学を通じて西洋音楽に通じ、日本のオペラや童謡の発展に尽力したことで知られる小松耕輔氏(1884~1966年)が作曲を手掛けた作品です。作詩は杉山米子氏によります。
オノマトペによって雨の様々な表情を表現した歌詞
童謡『雨』の歌詞には、「ぴちぴち ぱしゃぱしゃ」「ぽつぽつ ぽつぽつ」といった、オノマトペ(擬音語)が多用されています。雨粒が池の水面ではねる音や、大きなヤツデの葉を叩く様子を、オノマトペによって表現しています。まるで外を眺めているかのように生き生きと情景が伝わってきますね。
歌詞が描く雨の表情を巧みに表現した旋律
この曲の歌詞は雨粒が池やヤツデの葉に落ちる様子を可愛らしい言葉でつづっていますが、何より素晴らしいのは、なんといってもその可愛らしい言葉たちが、美しい軽やかなメロディキラキラと輝いている点です。曲を聴いているだけで、雨粒がキラキラと踊っているような映像が自然と頭の中に浮かんできます。
雨の日がもっと好きになる、明るく弾むような歌
雨というと、どこか寂しい、ネガティブなイメージと結びつけられることも多いですが、この曲には悲壮感はみじんもありません。
メロディも歌詞も、明るくかわいらしい表現でまとめられ、純粋な喜びに満ちています。雨が作り出す世界を子どものようなピュアな心で楽しむ気持ちがあふれ出している一曲です。
【制作秘話】動画に込めたこだわり:イラスト・伴奏・うたのポイント
イラスト:愛犬を主役に、雨が奏でる音の世界を味わう
この曲を聴いたとき、私の心に一番に浮んだのは、雨の日の日本庭園でした。私の実家の庭には、丸く刈り込まれたツツジに囲まれた池があり、窓の近くにはヤツデが青々と元気に茂っていました。
この曲のイラストには、縁側からその庭を眺めていた幼い頃の自分の姿を、今現在、雨の日にはその庭を眺め雨音の世界を味わっているであろう、実家の愛犬に重ねて描きました。犬が見つめる雨の世界を、ぜひ一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。
ピアノ伴奏:無邪気でピュアな、子どもの心のままに
この曲の魅力はなんといっても、雨に対して先入観を持たず、純粋にその世界を楽しむ気持ちを表現していること。実は、楽譜にも、演奏のポイントとして曲想記号に「無邪気に」と指示がありました。
ピアノ伴奏では、無邪気に雨を楽しむ子どもの気持ちを表現できるよう、素朴に軽やかなタッチで弾くよう心掛けました。また、全体を通じて一定のテンポ(♪=104)で伴奏することも意識したポイントです。これによって子どもの純粋さやあどけなさが表現されるはずです。
うた:雨の表情を映し出す「オノマトペ」を楽しみながら
童謡『雨』の歌詞には、雨音のオノマトペとして、1番に「ぴちぴち」「ぱしゃぱしゃ」、2番に「ぽつぽつ(2回)」と3種類の表現が使われています。実はピアノ伴奏譜では、同じ言葉でも、1回目と2回目で和音の組み合わせが変えられていて、それぞれ違う雨音に聞こえるような工夫が凝らされています。 ですので、歌うときは無理に表情を変えようとしなくても大丈夫。メロディの通りに、軽やかにシンプルに歌うだけで、自然と、無邪気な子供の遊び心が表現されてくるはずですよ。
【童謡子育て体験談】:雨の日は感覚を研ぎ澄ませて音を楽しむ
私自身、子どもの頃から雨の日に聞こえてくる「音」が好きでした。雨の日は、車が道路を走る音でさえも、しぶきによってキラキラとした効果がかかって、世界がいつもと違って見える気がしませんか?
雨の音を「分解」してみる面白さ
わが家では、毎日多くの時間を庭で過ごしています。そこには、わが子と一緒に育てているトマトにキュウリ、リンゴにブドウ、そして色とりどりの花など、50種類ほどの植物がたちがいます。毎朝、わが子と庭に出て、水やりやお手入れをするのが大切な日課です。そんな日常のなかで、植物とのふれあい時間の道具として、ある「園芸グッズ」を取り入れたことが、私たち親子の雨の日のワクワクを大きく広げてくれることになりました。
2歳児の庭仕事の相棒は「噴霧器」
わが子が庭仕事をするにあたって、課題は道具選びです。2歳児にとっては容量10Lの大型ジョウロは扱いにくく、かといって小さなゾウさんジョウロだと容量が少なく頻繁に水を汲みに行かねばなりません。小さな体でも扱いやすい園芸用品を探していたところ、わが子が興味を持ったのが、液肥散布用に使用していた噴霧器でした。
ポンプでシュッ、シュッと加圧して、細かい水滴が勢いよく散布される様子が面白かったようで、今ではわが子の水やり道具としてすっかり定着しています。
「ギボウシは雨の音がする」
ある日のこと。木陰にしゃがみこんで、大きな葉を広げたギボウシ(ホスタ)に噴霧器で水をかけていたわが子が、「お母さん!」と大きな声で私を呼びました。急いで駆け寄るとわが子が一言。
「ギボウシは雨の音がする」
このわが子の気付きから、私たち親子の間で「噴霧器による音の実験」が始まりました。
水滴が奏でる、音の違いを楽しむ
噴霧器で色々な植物に水やりを繰り返しているうちに、植物やその周辺のものによって、水滴がかかったときの「音」が全く違うことに気がついたようです。
特に、直径60 ㎝ほどに葉を広く張ったギボウシに水滴があたった時の音が、いつも聴いている雨の音にそっくりだと発見し、「すごいね」と、幼い心に感動したようでした。
それからは、庭中のあちこちで、「どんな音がするかな?」とありとあらゆる植物に噴霧器の水をふりかける実験の繰り返し。童謡『雨』の歌詞のように、自分たちなりのオノマトペ(擬音語)で音を表現してみました。
- ギボウシの葉が水滴をはじく音は、「ぽつぽつぽつぽつ」
- 畑に張ったマルチシートに当たる音は、「ぱらぱらぱらぱら」
- 柔らかいブドウの葉っぱが雨にふれて「しとしとしとしと」
- メダカの睡蓮鉢の水面に飛び込んで「ぴちぴちぴちぴち」
音をオノマトペに変換して表現してみると、まるで水滴たちが、「この葉っぱはこんな形だよ」「ここはこんな感触だよ」と、庭の植物の形や感触を教えてくれているようで、なんだか庭全体が生き生きと感じられました。
雨の日は、植物の「独奏」がオーケストラに変わるとき
この「噴霧器での音あそび」をし始めてから、雨の日の過ごし方が劇的に変わりました。
雨がふると、窓を全開にして家の中に寝転び、雨音に耳を澄ませてみます。すると、ただの雨音だったものが、庭のそれぞれの植物たちが奏でる「雨音のメッセージ」として聞こえてくるようになったのです。
「シートに雨が落ちたね」「風が変わったね」と、周辺の音から環境の変化を感じ取るわが子。それはまるで、オーケストラの中から各楽器の音を聞き分ける指揮者になったかのような感覚です。
噴霧器の実験によって一つひとつの植物の「独奏」を噴霧器で知ったからこそ、雨の日の「大合奏」がより深く楽しめる。今ではこの経験を通じて、童謡『雨』を歌うと、庭の植物たちを慈しむ気持ちが自然とあふれ出してきます。
感覚を研ぎ澄ませ、外の世界とつながる――。
そんな遊びのおかげで、これから迎える梅雨シーズンが楽しみでたまりません。
まとめ:雨の日の世界の素晴らしさを届けてくれる童謡『雨』
小松耕輔氏の作曲の童謡『雨』は、雨そのものの楽しさや美しさを、真っすぐに歌う作品です。そこには、一般に雨と結び付けられて語られることの多い、憂鬱感などのネガティブな印象は微塵もありません。あどけない子どもの視点から、純粋に雨音を楽しむ情景が浮かんできます。
軽やかでリズミカルなメロディは、小さなお子さまでも口ずさみやすく、親子で歌うのにもぴったりの一曲です。
また、歌詞にちりばめられた「オノマトペ(擬音語)」は、まるで雨粒が植物やものの形、感触を言葉にして教えてくれているよう。ピアノ伴奏も、それぞれの音に合わせて表情が豊かに変化するので、聴いているだけで次の雨の日が待ち遠しく感じてきます。
童謡『雨』は、雨が見せてくれる素晴らしい世界を、子どもたちだけでなく、私たち大人の心にも届けてくれます。
ぜひ、次の雨の日には、童謡『雨』を歌ってみてください。雨音が織りなすキラキラとした世界をお子さまと一緒に味わってみてくださいね。


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